タイという国名を聞いて、思い浮かべるものは人それぞれだと思います。
文化遺産の多くある国、微笑みの国、タイシルク・・・。タイには文化遺産として、かつて栄華を極めたアユタヤ王朝を偲ばせる「アユタヤ遺跡」、スコタイ王朝の繁栄ぶりを偲ばせる仏寺、仏塔の跡が多数残されている「スコタイ遺跡」、東南アジア独自の古代文明遺跡として注目を浴びている「バン・チアン遺跡」などがあります。
また、自然遺産として、手つかずの自然が広範囲で残っている二つの野生動物保護区を合わせた「トゥンヤイ-ファイ・カ・ケン野生生物保護区」が登録されています。
物産では、タイシルク、セラドン焼き、ベンジャロン焼きなどの伝統工芸品はもちろん、チープでファニーな雑貨や洋服、ハイセンスなインテリアなど、あらゆるショッピングが楽しめます。特にバンコクでは、おしゃれなデパートやショッピングセンターも多く、世界のハイブランドも充実しています。また、タイはルビーの産地として有名で、高品質の宝石をリーズナブルに手に入れることも可能です。
また、トムヤムクンやパッタイなどのタイ料理は世界的にポピュラーであり、そのスパイシーかつバラエティに富む味と健康的な素材が日本を始めとする多くの国で高い人気を誇っています。
日本ではブームになった1990年代以降、人気外国料理の定番となっており、都市部を中心にタイ料理レストランが多く存在する他、多くのスーパーマーケットでタイ料理の素材が販売されています。
タイの職人が高級素材を使用して作ったお宝。
その精巧な作りは見事です。
高級素材のマイサック・・その風合いを活かし、作られたこの木彫りのタペストリーは貴重品です。
上品な笑みをうかべて繊細に美しく優雅に踊る女性。
タイ舞踊は本来、神に感謝を表す儀式です。
自然界に宿る神々を信じ、神々を喜ばせるために歌い踊る女性をモチーフにした木彫りのタペストリーは、そばに置いておくだけで、穏やかでありがたい気持ちにさせてくれます。
■世界三大銘木のマイサックで作られた貴重品
タイのマイ・サックは、北部タイでは、たいへん重要な樹とされています。
別名チークともいわれ、 「ウォールナット」、「マホガニー」と並んで、世界三大銘木の一つとさえいわれています。
現在では、マイサック(チーク)は大変貴重なものとされています。1本1本を国が管理し、伐採は厳しく制限されています。優れた性質や稀少性から、マイサックで作られた家具などは大変人気があり、その人気は衰えることがありません。
この高級マイサックで作られたインテリア(左写真)はなかなか手に入らないお宝品です。
■熱帯サバンナ気候に生育するマイサック(チーク)
マイサック(チーク)は、アカネ科、クマツヅラ科の落葉広葉樹です。花は、小さく白い花が咲きます。
乾期と雨期がはっきり分かれている東南アジアの「熱帯サバンナ気候」に生育する植物で、乾期には落葉し、雨期が始まる頃になって新芽が出てきます。
長径50cm以上にもなる楕円形の葉をつけます。
■マイサックの特徴
(1)高い耐久性
伐採後200年間は風化、退化しないといわれわれているため、長期保存を目的とした建造物に多く使われています。色あせもありません。年を重ねるごとにその高級銘木チークならではの味わいが出てきます。
(2)虫に強い
他の木材と比べて、木の目が詰まっていて、とても硬いという特徴があります。
油分が多くチークを建築材に使うことで、シロアリ対策になります。
(3)水に強く、腐食しにくい。
チークには油分が含まれているので、水に強いのです。
(4)湿気に強いため、湿気による木材の伸縮・割れが非常に少ない
熱帯雨林気候で育ったチークは、高温多湿にとても強いという特長があります。
特に家具に於いては、年を重ねるほど素晴らしい色調に変化します。
チーク材で作られた家具は新しい材の色調よりも1年ごとに年を重ねる程素晴らしい家具に変貌するといわれています。ヨーロッパのアンティーク家具が重宝されるのは、こういった素材を使用されているからということがあります。
■マイサック(チーク材)が使われている日本の代表的な建造物など
(1)国の重要文化財 寺院
京都・宇治 黄檗宗大本山 黄檗本山 萬福寺 大雄宝殿、山梨 保福寺の総チーク本堂、福岡 二ノ滝寺の総チーク本堂等
(2)船舶(主に甲板)
戦艦「大和」、「三笠」、豪華客船「飛鳥」 等
(3)建築物(内装、家具)
国会議事堂、東京都庭園美術館、帝国ホテル等